先輩との付き合い方
会社には、いろいろな思想を纏った人が、同じ空間に集って同じ目的を達成するために、日々、営利活動を下支えしています。
当然、意志の疎通は仕事だからこそ、私利私欲を捨てているので可能ではありますが、ギクシャクすることも否定は出来ません。
会社の同僚と、一言で言っても、年齢や生活環境、個人的な考え方がぶつかることはよくあることです。
コミュニケーションを円滑にすることが、仕事の上でも効率的ななるわけですが、それは完全に理想論であり、実際は腹の探り合いという事もあるのではないでしょうか。
大企業になればなるほど、調整や根回しといった日本古来の慣習が負担となることは多々あります。
目的が調整であってはならないのですが、縦割りの組織間で軋轢が生じるセクショナリズムは本当にやっかいです。
新聞紙上でも大企業が合併の後、ブランドを一本化したり、事業ドメインを集約したりしますが、これは重複することが営利活動の妨げとなるからなんですね。
社内で意地の張り合い、なんてのは、内輪揉めでしかないのです。
身近なところでは、部署内の先輩社員とのコミュニケーションが大切ですが、先輩風に誤魔化される新人も数多いのでは?
今の時代、飲みニケーションという都合の良い飲みの言い訳を振りかざすような先輩とは、ちょっと距離を置いた方が無難かもしれません。
職場の先輩
私の職場の同僚に、Nさんという方がいます。
Nさんは私よりほんの少し前に入社されたので、一応先輩にあたります。
このNさん、一時期大人気だった某戦場カメラマンのような独特の雰囲気の持ち主なんです。
彼の周りに流れる空気は本当に穏やかです。
喋り方も受け答えものんびりしていて、どこか牧歌的な雰囲気を感じさせます。
少しだけ物覚えが悪いようで、一度してしまったミスを何度も繰り返します。
あまりに何度も同じミスをするので、何度か注意しました。
「Nさん、それ前も言ったと思うんですけど・・・メモとか取ってます?」
「あ、そうでしたっけ?すみません、物覚えが悪くて。メモは取ってるんですけど・・・」
毎回、こんな感じです。
電話を取ると異様にアタフタするので、いよいよ上司に「お前は電話を取るな」と言われてしまったNさん。
どんなに嫌味を言われても、雑用を頼まれても嫌な顔一つしないので、休憩時間に聞いてみました。
「Nさんって、イライラしたり、ムカつくことってないんですか?」
すると、Nさんはニコニコしながら言いました。
「僕、こんなだし、いじりやすいんだと思うんですよね。慣れてるから大丈夫です。イライラすることはあるけど、それはうまくやれない自分に対してですね。」
なんて心の広い人なんだ・・・と、感心してしまいました。
優しくて、真面目なNさん。
ちょっとのんびりしているけど、その人当たりの良さは武器だと思います。
一応先輩なのでこういっちゃなんですが、陰ながら応援していきたいと思います。