私の就職試験の決め手
私は大学を卒業して、広島の地元企業に就職しました。
この会社の就職試験は変わっているので学生達の間でも有名だったのですが、そこを見事合格した事で少々鼻高々だった私です。
ペーパーテストは通常の一般常識と性格診断テストのようなものでした。
その後、風変りな面接が3回続くのです。
面接の一回目はいくつかの質問が出されました。
冷蔵庫に入って出られなくなった象をどうやって助けるか?とか、無人島に一人で漂流中に一匹だけ連れて行くとしたらどんな動物を連れて行くか?などといった心理テストのような面接でした。
2回目は絵を書きました。タイトルは「私の理想郷」です。
そして3回目の最終面接にいよいよ社長が登場しました。
見た目も温厚そうな方で、こんな変わった試験をするような方には見えませんでした。
試験の合否の判定基準も何なのかさっぱりわからないまま面接は進みました。
最後の質問で社長が、「将来の夢はなんですか」と言われ、私は「経営者になりたいです」と言いました。
後で知ったのですが、これが私の採用決定の一言になったそうです。
勤続年数10年にして未だ平社員ですが…。
そしてそろそろ、この会社ともお別れの時期がやってきてしまったのです。
まさかまさかの寿退社。
全く想像してなかった入社当時と変わって、人間って変わるものですね。
既に経営者となっている人生の伴侶となる人から、結婚指輪のリングを渡されながら、一緒にといってくれたのが、決心のきっかけでした。
まずは3年勤めてから
新しい職に就いて、3年は勤めてみないと、会社の良い所と悪い所の本質が見えてこないし、3年目からが面白いと言われる。
しかし最近は入社一ヶ月や二ヶ月だけでなく、なんと一週間以内で辞めてしまう若者が多いそうだ。
数日とはびっくりである。
そもそもなんで面接を希望したのか、そこまでさかのぼって理由を聞いてみたくなる。
会社は一人新入社員が入ってくるにあたり、育てるための人員も時間も割かなければならない。
そんな新入社員が数日でやめてしまったら、それまでにかけた予算がかなりもったいないと思う。
そんな若者を見破れない面接官が悪い、とも言われるが私はそうは思えない。
一週間で辞めようと気が変わるなら、一週間で仕事って面白いことかもと気づくかもしれない。
そんなふうに精神が揺らいでいる若者を上手く使えなければ、会社もダメだということか。
自分が人事や教育担当なら、新入社員がすぐ辞めてしまったら自信をなくす。
働きたくなるような説明をしなかったからか、と考え込んでしまう。
一方で、お金をもらって働くんだから、そんなすぐ辞めるような責任感がない人はすぐ辞めてもらっていいとも思う。
求人情報誌の編集室で働いていた友人によると、職種によって離職率が高い場合もあるが、やめても困らないだろうという雰囲気のためにその会社の離職率を高めてしまっていることもあるそう。
従業員から魅力的だと支持されない会社が出す製品は顧客からも支持されないとも言う。
働いていると理不尽なこともいっぱいあるが、まずは数年働いてみると良い。
新入社員のころ感じていた不満よりももっとたくさん不満が出てくる。
それでもやりたいと思うから続けるのである。
やっぱりまずは3年働いてみないといけません。